

アメリカを中心として諸外国の建築を吸収する。東京の下町情緒
を好み、自ら東京らしさ、日本らしさを建築を通して表現してい
く一方、国内外多くの設計事務所を経験することにより世界にも
目を向け、とりわけ近代建築の影響を多く受ける。その和洋折衷
な感覚から生まれる独特の存在感や、あらゆる与条件に対する処
理のうまさが評価されている。
1980年代、槙自身「設計とは歴史上の様々な建築形態の編集
的作業であって、それによってできる作品に作者のオリジナリテ
ィーは存在しない。」と、自身の作品を編集的方法という近代の
産物を道具としながら設計を行っていることを示唆している。し
かし、近年の彼の代表作には近代建築の編集的作業も見られなが
ら、それらを統合し、建築として完成させた段階においては彼な
りのオリジナリティーがはっきり表れているのではないか。
□主な作品




