


カーンの最後にしてもっと抽象的な理論である沈黙と光という概念は、人間の精神の内部における創造的表現の起源を探るものである。この概念は、いくつもの志向の糸の混じり合ったものであり、地勢の円熟と自信の豊かな産物であった。それは、1974年のカーンの死に至るまで展開し続けたのである。この概念の文脈においてカーンは、光を自然によって考えられた表現手段あるいは表現の道具として見、また沈黙を、集団の無意識の中から汲み取られる表現願望として見た。それらが出会う地点で、発想が生じ、それが芸術作品の創造へと通じていくのである。
カーンが光と沈黙の間に見いだした関係は、自然法則と共に行動することを表現しようという人間の衝動が発想を可能にするというカーンの初期の論理を拡大したものである。自然の法則に対するカーンの関心は彼の活動の早い時点で発達した。

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