日本の伝統構成

<無駄な空間>

<方形架構>
正方形平面(単純性)と方形屋根による構成。
この構成は民家の土間の力強い梁の架構と強い力動感を与える。

<分割>
大枠をつくる矩形両辺にそれぞれ平行な数本の平行直線が内部に走って出来る格子形によって分割位置を決定する。これは日本の寝殿造りに見られる構成の方法である。このような構成に見られる単純性の美しさは日本空間の本質であるといえる。

<大屋根>
大屋根の構造は内部の機能と明確な対応をもっていて、その下に広がる生活の力強さの“象徴”としての表現である。この大スパンのトラス梁という表情をもつ大屋根は民家の土間の形式に結びつく。
様式という事物、象徴的なる事物の表現が屋根をめぐって試みられている。

<正面性>
日本建築の視覚のコンセプトとして正面からの視線を重視する構成(=正面性)がある。
日本の茶室では個々の壁面は独立し、それぞれは正面からの視線に対して構成されている。日本人はこれらの壁面を頭の中で3次元に返還することが出来る。これは日本の構成の根源的な特性の一つである。