<亀裂>
狭い幅で向きあって立つ壁の亀裂の構成は2層分の高さを持ち、コンクリートの重い質感は、この狭間ではさらに強調される。文字通りの亀裂、遮断の機能が働く。両側に分かれた空間は、一つの住宅であるという条件によって、遮断と反対の一体化への手がかりが求められる。それは完全な遮断からの視線、生活動線の回復であり、亀裂の壁に視線、動線の最小限の開口が付けられる。亀裂の空間には光の参加とその強い垂直性によって不確かな視覚風景と強い象徴性をつくりだす。
亀裂は厳格な対称性平面によって構成されているため小さな空間の中での自由度は大きくないがそれがつくりだす中心性によって内部と外部が反転しそこに街角や都市を映し出す。