<カオス>
優雅な形の形成に向かってすべての構成素材を統一していく構成を統一構成とするならば、いくつかの独立した“部品”を、個別に機能を優先して形を決め、視覚的に全体の構成システムが容易に読むことができない、断片化された部品のランダムな結合構成を非・統一構成とする。この本質はその見えがかりの形のランダムさではなく、部分と全体との関係がつくりだす空間の機能にある。 部品組立の非統一性というシステム、例えば複雑性の科学といわれるカオスは都市空間からも読みとることができる。
カオス現象とは変数の微少な相違が関数の値に突然大きな揺れを与える現象。方程式はその変化がすべて読める決定論的と見えるのに変数値がわずかに変わると、予測できなかった突然現れる、すなわち非決定論的な数値になる。都市空間の視覚的風景はこれに関わってくる。
視覚に現れるカオスやランダムさは空間構成の背後に働く。