【Model-1】イメージの抽象化

  浮遊感・静けさ・柔らかさなどのイメージを抽象
  化する段階において、幾何学形態(図形)を用い
   て基本形態(全体を構成する単位)を決定する。

【Model-2】建築の中心性

  中央の中庭がこの建築の中心であり、この建築を
  1つの建築として統合するものである。このこと
  を意識しつつ建築の機能空間をWhite Uに
  用いられている3.6×3.6の正方形グリッド
  を用いて2次元的な操作を行い、ヴォリュームを
  決定し独立柱を配置する。
  ここでは〈都市での生活〉というキーワードを用
  い、形式的なものから「オープンな空間とクロー
  ズドされた空間を使い分けて生活する」という伊
  東自身の建築言語への変換が見られる。

【Model-3】包(パオ)への変換

  ヴォールト状の屋根はその内部において垂直性が
  強調されるが、曲がりを浅くする操作を加えるこ
  とによって、覆われているという安堵感を抱かせ
  るとともに、身体から離れているという開放感を
  感じる遊牧民のテントのようなもの(包)に変換
  される。

【Model-4】表層性・仮設性

  この建築はコンクリートの柱の上に軽いヴォール
  トが架かった状態において、伊東のなかでは設計
  そのものが終わっており、後はファサードの表層
  を限界まで消去することであり、この願望はアル
  ミのパンチング・メタルの表現を生んだ。