【Model-1】図形による枠の作成

  要素:直線、正方形、矩形
  知識:奥の精神、螺旋、与条件付与、近代建築の
     編集

  槙の建築は2次元的な面の構成から始まる。この
  平面とファサードにより後の3次元への移行に対
  する大枠が決定される。その後、垂直面と水平面
  の重層により主なる空間(初期形態)が大枠とし
  て生じることになる。


【Model-2】幾何学秩序の付与

  要素:直線、円
  知識:奥の精神、螺旋、L字型配置、コラージュ

  Model-1の生成過程に際して軸線として数学的秩
  序に基づく配置、分割が行われる。ここで、Mod
  el-1とModel-2はパラレルに行われるものであり、
  生成過程が直接Model-1の流れになり得ない。


【Model-3】建築属性付与

  要素:柱、壁、開口、スラブ
  知識:奥の精神、凹凸、原風景、入れ子構造、近
     代建築の編集

  Model-1により生成された大枠に対して建築属性
  の付与を行う。こうして空間の意味づけが行われ、
  形態化されていた要素同士がその姿を奥に隠すこ
  とになる。いわば精神的奥の生成である。


【Model-4】建築空間の生成

  要素:吹き抜け、屋上庭園、機能空間
  知識:与条件付与、原風景

  Model-3において意味づけされた諸空間同士を関
  係づけるべく個々の空間が生成されていく。この
  時点で建物内部におけるその空間の意味づけが明
  確となる。


【Model-5】図形と建築の統合

  要素:スロープ、吹き抜け、屋上庭園
  知識:奥の精神、螺旋、近代建築の編集、プラト
  ン立体

  建物全体としてファサード面、平面と内部空間と
  の統一を図るため、図形と建築に対する最終的な
  秩序づけが行われる。また、Model-1により生成
  される主なる空間は図形的な要素が建築的な様相
  として統合(変換)されているため、これに当た
  る。