建築学科/ 建築工学科/ 環境システム学科/ デザイン工学科/


■建築学科

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aj16019 伊藤ひなの

ウラハラのウラカラ、コレカラ  〜遷移するヴォイドによる未完成街区の提案〜

街の完成は街の終わりを意味する。 再開発がじわじわと進行し始めている街、原宿、ウラハラ。 このまま再開発が進んでいけば、街は完成し、それと同時に街の終わりを迎えるだろう。 そこで街が完成しないためには、ウラハラを未完成な街にすれば良いのではないかと定義し、新しい再開発手法として、変化し続けるような未完成街区を提案する。 そしてこの手法が街全体に広がっていくことで街は変化し続け、ウラハラは生き続ける。

aj16023 上野美紀

鋳者にみせられて
孤立した町工場と外国人労働者のつながり

鋳物の町として有名な埼玉県川口市では、その鋳物工場が町から孤立し人手不足などが原因で姿を消していた。この現状を支えているのが技能実習生であるが、外国人も市民との相互理解が進まず孤立している。川口特有の風景を作っているパッチワークのように建てられた鋳物工場。その特徴を生かし町との繋がりを産むような新たな技能実習centerを提案する。この場所が、町と鋳物工場をつなぎ、外国人が市民と溶け込む足がかりとなる。

aj16024 上之薗桃子

えん結び〜臨海都市のリバーウォーク再編計画〜

世の中のMobilityに合わせて、そのインフラは進化し続けてきた。自動車が普及してからは車用の道路整備が本格化、自転車の利用者増加と事故防止のために自転車道の整備もされてきた。そしてこれからは、スケートボードやキックボードなどのPortableMobilityの時代が来ると私は考える。そこで、PortableMobilityに対するインフラの整備とともに、臨海都市のリバーウォークを再計画し、環状橋をかけ、裏となってしまった水辺を表にすることを提案する。

aj16029 大久保尚人

葡萄畑のある暮らし〜「耕作」を媒介とした新たな公共の提案〜

地方では少子高齢化に伴い、既存の都市計画である小学校や公民館をはじめとする「公共の骨格」がいよいよ成り立たなくなってきた。 そもそもその場所独自の文化や空気と同じように、その場所ならではの「公共の骨格」がこれからは必要なのではないだろうか。 本計画では、縮退の時代において、地方の暮らしにおける必要な公共性を再発見し建築することでこれからの地方の暮らしをデザインすることを試みたものである。

aj16039 柏木優之介

武蔵野の息吹き - 都市に残る国分寺崖線と人のための植物園 -

「武蔵野」の範囲は、定義が曖昧であり、古来より文学や絵画などを通して多様に表現されてきた。現代では、国分寺崖線のような都市に残る一体となった自然環境は、人の弛まない手入れがあってこそ守られる。失われつつある「武蔵野」を、人々が保全する意欲を持つきっかけとなる場所を作りたい。人の営為と自然が調和し、人間社会と極めて隣接している「武蔵野」の息遣いが聞こえてくるような場所を、建築を作ることで創造する。

aj16044 栗田宏輝

ヒッチハイク的建築

本提案は野生的な道を都市に取り戻す提案である。 都市は漸進的な計画により複層的な複雑さを有したが、現況の変化に今後計画概念では対応できないため新しい方法論を模索する。 自身のヒッチハイク体験より、異なる目的を持つ他者に自身の目標達成までのプロセスを託すことで得られる外部性は所有から共有の転換ができ道の本来性を作る。 複数の大規模開発が計画される十条において道が町を繋ぎ開発とは異なる街のあり方を提示する

aj16045 車田日南子

水辺のpassage -御茶ノ水に奏でる音風景-

楽器演奏や音楽を趣味とする人々のための居場所の提案。本来音楽は時間と空間を共有して楽しまれるものであったが、現代ではイヤホンなどの「個」の空間に閉じ込められるようになってしまった。演奏の趣味は騒音やスペースの問題から続けることが難しくやめてしまうことが多い。御茶ノ水のまちに、楽器を購入するだけの一度きりではない、音楽趣味の拠点をつくる。通りかかった人をも巻き込み、新たな水辺の音風景をつくりだす。

aj16049 小西百夏

できそこない開発-団地再構築によるまちリビングの提案-

かつて子育て世代の憧れの的であった団地は、タワーマンションなどの新たな集合住宅が出現したことで時代遅れとなってしまった。そのため空き家・高齢化問題が発生・深刻化し、再開発が計画されている。未来的風景に一新するような再開発は、団地の開発方法に適しているだろうか。本計画は、50年以上も存在し続けた愛着のある団地の風景を残しつつ、新たなライフスタイルも取り入れ人々の循環を促すできそこない開発の提案である。

aj16054 近藤眞央

ひびの芽吹き -横浜西口における公共空間の在り方-

住民だけでなく幅広い人々に愛されるはずである公共施設。しかし一部の人にとっては利用するハードルが高く、疎遠になっている。公共施設は様々な広がりを持つ可能性を秘めているが、排他的で閉鎖的なハコに閉じ込められその場限りのものとなってしまった。 横浜駅。住民から会社員まで幅広い人々に利用される神奈川最大の駅である。ここに複合公共施設が出来ることによって生まれる人々との相乗効果を生み出す。

aj16055 齊藤彬人

マチで眠る 〜生地記憶を媒介とする終末期医療の提案〜

本提案は、人生の最後を迎える瞬間、どうしたら笑顔で最後を迎えられるかを模索した提案である。人が産まれ落ち、最後を迎えるまで、生きてきた軌跡は場所や、空間、風景に保管されている。また人は、それを記憶として自身の中に深く刻み込んでいる。(生地記憶) 生地記憶を建築空間に投影し、また、触れ合うように日常を過ごすことのできる介護施設を設計した。日常を分断することなく、当たり前を当たり前に過ごせる施設である。

aj16066 鈴木颯太

表出する学びの場

私たちはふと退屈と思うことがある。 その時に今の子供たちは退屈しのぎで変化や刺激を求め、スマホを見てしまう。そうすることで今の子供たちの感受性が低くなってしまうのではないだろうかと考えた。 そこで小学校を街に表出させ、街の公共施設と連携をとることで子供たちの選択肢は増え、能動的な行動へと生まれ変わるのではないだろうか。

aj16068 関健太

12%の遍き ?制約に偏らない多中心性を帯びる公園建築?

制約の中に新たな広がりを見出せるか。 都市公園は今12%の建蔽率という上限がある。 数年後、開発により街に大きな余白が生まれる葛飾区立石。 そこへ偏った公園建築ではなく敷地内に散らばる多種多様な文化施設と共に併設する公園を計画する。 これは偏りのない新たな公園、制約の中にも何処までも散りばめられ広く行き渡るような建築の提案。 建築は広く人々を受け入れ、都市・社会・地球に寄与する新たな都市の顔となる。

aj16072 竹田文

行き着く先、ドンツキ 。 ?ドンツキを用いた都市空間の提案?

"子供の頃に見たドンツキは可能性にあふれていて、先を想像させる力があった。 しかし、大人になるとともに、建築に目的を吸い取られた道を足早に移動するようになった。 そこで、都市空間が不足している地元、高田馬場に都市における多様なドンツキ を含んだ建築を計画する。 都市の中の行動がそれぞれのドンツキ に行き着き、それが集まる場所をつくることで、東京における豊かな都市空間を提案する。 それによって私たちは失っていた感性を思い出す。 "

aj16076 丹下裕介

個独な群衆

"本計画は群を構成する個々の方向性が離散的なオフィス空間の提案である。 従来のオフィスは組織論が空間論と繋がり、ある規律の下に群として動くことを求める。 強い共同体を形成する一方で、組織の一員であることが切れるような状態も必要だろう。 再開発が進む九段下の雑居ビル群を対象に、空間は共有するが共同体からは抜けている、衆くの独立した個人での群を構成する。そんな個独な群衆が共同体での関係をより豊かにする。 "

aj16078 土田あゆみ

色褪せぬ道 -「飽き」から考える、公共パーキングエリアの提案-

便利さと引き替えに豊かさを失う飽きやすくなった現代、さらに土地区画整理により画一化され飽きる風景へと変わる茨城県つくば市上河原崎・中西地区に対し、「飽きない」という建築の手法を提案する。 地区を横断する圏央道を画一化の象徴と同時に予測不能な出会いを生む広域商圏と捉え、コミュニティーセンター兼パーキングエリアを計画する。 また、不完全さを内包した設計により、人々の参与を誘う「飽きない」場を生み出す。

aj16082 中翼空

ブンジンのスミカ —分人性がつくる複属的住空間の提案—

「繋がっていること」を重視する現代では一貫した個性よりも、対人関係毎に柔軟に態度を変化できる「分人性」の方が重要なのではないだろうか。 分人化することは決して疎まれるべきものではなく、むしろ広くコミュニティ網を維持し、様々な出会いを生み出すものであり、人生を豊かにしていくものだと考える。 本設計では人々がつくる分人性を用いて設計することを試みる。

aj16086 西村和佳葉

猥雑に咲くコスモス -大久保の多様性を興ずる居場所の提案-

大久保の多様性を受け入れ、外国人と日本人の境界を曖昧にする緩衝材の提案である。多国籍な外国人が年々増加している大久保は、多文化共生のモデルと言われているが、実際には見る影もなく、外国人と日本人の間には壁が存在する。多種多様の外国人が在住し、種々雑多な要素をもつ大久保という小さな街に存在する既存のエネルギー「猥雑」のなかに、秩序と調和を表す「コスモス」を咲かせ、互いに共存する新たな拠り所をつくる。

aj16088 林拓磨

Noah's Archi 〜人口減少社会における生態系との共存〜

1964-2020は人口が増え続け、都市は拡大を続け、現在も続いている。 2020-2070の都市は何処へ向かうのか。 2006年に始まった人口減少の波が都市部にも侵食する2025年以降、縮小する社会と拡大する都市のギャップが生じる。 そのギャップが生まれる中、社会の中心は人間である必要はあるのだろうか

aj16094 深沢真子

猫と人の居る場所-谷中逆開発計画-

谷根千には猫にとっての居心地の良い空間があり、昔から野良猫が多かった。その空間は人にとっても居心地の良い場となるエレメントがあると考えた。現在の動物保護施設は動物を隔離しているような施設で人の出入りがあまりない。また動物の殺処分ゼロのために、人々のエゴで生まれてしまった野良の子猫の殺処分数を減らしていく必要がある。猫の明るい未来のために、保護猫と人を繋ぐ「ネコシェルター」の提案をする。

aj16096 藤本翔大

建築に渦を

現在の受動的な世の中で、人の主体性を引きだす「渦」について考えた。 具体的対象とするのは主体的な街、下北沢。都市計画道路問題を抱えるこの街で「建築の渦」 なる手法を用いたことなる規模の3つの計画を実験的に行う。 これらの建築では、構成の渦が発生し、そこで複数の文化が共存することで、新たな文化が生み出される。 建築に渦を起こすことで、人が互いに影響を受けながらも、自らの意志で生きる世界が生まれると考えた。

aj16097 古川智央

ばらける表層、ほどける境界〜渋谷空間に現れる新たな広告型商品体験施設〜

「モノを介した文化」を生んできた渋谷は2000年代に入り、SNSの普及によって文化の過渡期を迎えた。モノの入手が簡易化した現代に対して建築は、ファサードに広告を貼ることで収入を得るという回答をし、建築は不透明化してしまった。 これからの渋谷文化には、モノを買うだけでなく、利用するという新しい場が求められるのではないか。本設計は、壁面を透明化させモノの利用空間を拡大した、新しい情報都市建築の提案である。

aj16098 古谷輝

遊学路
−学び場を通じた地域コミュニティの再構築−

地元のとある通学路に寄り道をつくりたい。そこは学生だけではなく、地域住民もが共有する学びの場。今は学生と地域住民に繋がりはないけど、学び場を通じて互いの存在を認識して、あいさつをして、たわいの無い会話をして、そしていつの間にか繋がり合う。遊学するように、よく知らない場所でよく知らない人々と触れ合う路。私は「遊学路」を提案する。

aj16100 増田汐音

山形駅前再開発の小割

山形駅西側は、再開発によって区画が整備され、広い駐車場と大規模な建築が駅前を陣取っている。まちの居場所と人々の活動は建物内部に収められ、駐車場と建物との往復ばかりが屋外に表出する殺風景な印象を与えてしまっている。大規模な区割りを小割にした建築の設計により、駅西側を活動の様子が見え隠れする賑やかな場所に転換するとともに、新幹線や高速バスの盛んな乗り入れに対しても寛容な、多様な居場所を創出する。

aj16101 増田潤平

変わるもの・変わらないもの
—受け継がれる京島の遺伝子—

 本提案は、木密地域である東京都墨田区京島における空き家を中心とした、まちの更新の提案である。京島は、昔ながらの街並みが今でも残る一方で、少子高齢化や建物の老朽化など、様々な問題を抱える地域である。また、都市の縮退化とともに、空き家の数も増加し、地域の衰退が見られる。その中で、「空き家」に着目し、今後増加していくと見られる空き家に対して、「京島らしさ」を残しながら、まちの更新を行っていく。

aj16102 益満悠大

同舟となる学校-浦安における新たな避難生活の提案-

度々起こる自然災害、私はその二次災害に着目した。プレハブでできた無機質な「収容施設」である仮設住宅やプライバシー皆無の体育館での避難生活は災害関連死やコミュニティ崩壊を引き起こす。避難生活の在り方は今のままで良いのだろうか。本設計では災害に弱い街である浦安で日常時から地域の助け合いを生み出し、段階的に避難生活を改善していくための次世代型教育施設を提案する。

aj16113 渡辺瑛司

いつの間にか -施設コンフリクトにおけるカモフラージュ的変化を手法とした建築の現れ方-

施設コンフリクトを引き起こす要因として、その施設に対する人々の偏見やイメージだけでなく、建築の現れ方も大きく影響していると考える。 一用途一撃で建てられる早すぎる現在の建築の現れ方では人々の不安を煽り、問題を助長してしまっている。 そのような現れ方ではなく、現れていく過程の中でもその時々に必要な都市機能として変化しながら気づけば街に存在している、“いつの間にか”という新たな建築の現れ方を提案する。

■建築工学科

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ak15028 木村優作

ドイツ デュッセルドルフ移民学校計画

ヨーロッパで最も大きい日本人コミュニティがあるドイツのデュッセルドルフに、移民(日本人やトルコ人等)とドイツ人のための学校を提案する。一般的に移民は集まって暮らしてしまうため、移民の子供たちにとっては学校が唯一、現地のコミュニティや多様な価値観に触れることができる場所である。GLを街に大きく開き、テラスや吹き抜けを介して現地コミュニティと適切な距離感の中で勉強し遊ぶ事のできる学校を考えた。

ak15029 木村玲大

Fabcity構想 —「つくる」と「暮らす」の汽水域を創造する—

ネットサーフィンをすれば個人の嗜好から分析された広告が隙間なく介入し、消費行動を強いられる。ユーザーは選択の機会を失い、暮らしの多様性は失われ、人間の美意識は企業が定める基準に収められようとしている。その様な消費者のみの都市において文化やコンテンツは生まれるだろうか。そこで市民が主体的に暮らしをつくりだし、懐古主義に陥らず、新しいテクノロジーを取り入れることで文化やコンテンツを更新し続ける建築を提案する。

ak16002 阿川誠

飲屋文化再興計画 ?段階的更新による新宿ゴールデン街の持続?-

大都市・東京には戦後闇市からなる飲屋街が点在している。新宿の高層ビル群の中に木造2階建て飲屋280店舗が軒を連ねる新宿ゴールデン街が存在する。飲屋に転換後50年余りが経過して、店主の代替わりや建物の老朽化、インバウンド効果、都市の再開発など様々な課題をこの地は抱えている。このような課題点を段階的な更新により克服し、この街の文化を継承していく街にする。

ak16018 岩崎真子

超郊外暮らしのすゝめ -ベッドタウンから村へ、持続可能なまちづくりに向けて-

都心から電車で1時間。超郊外と呼ばれるそこは戦後からベッドタウンとして発展してきた。しかし、家の中で完結して生活することを「住む」・まちの人やものと深く関わりあいながら生活することを「暮らす」と言うのなら、人々は発展と共に「暮らし方」を忘れてきた。「暮らす」人口の減ったまちの機能はこれから麻痺していくことが予想されている。まちや産業の歴史を繋いでいくため、「暮らし方」を伝える場を提案したい。

ak16022 遠藤友里菜

新生中野ワールド会館 〜サブカルチャー拠点化計画〜

中野のオタク文化を象徴する二つの建造物の撤退の可能性を考慮し、施設完結型の文化形態から周辺一帯型の文化形態への変換を試みる。従来の閉じた空間ではなく地域を取り込み、創造・発信を行う施設を提案する。街に溶け込むヴォリュームと誘い込むヴォリュームを組み合わせ、サブカルチャーならではの入りにくさを感じさせない建築を目指した。

ak16035 川邉慎悟

都市の居場所ー乗り換え動線計画ー

大規模な開発とともに、都市の余白が減少し人々の居場所がなくなりつつある。都市生活者には目的が求められ、目的を持たない者に許される場所があるだろうか。駅は多くの人が利用し集まる場であり、それだけの性格を持つ。それらの人が流れる乗換動線も同様であるが、乗換という単一な目的のみに使われる。多様な活動が期待できるこの場で、居場所の形としての共居の実現を図り、無目的な滞在を許す空間をつくる。

ak16039 菊池佳亮

手賀沼下流域良化計画ー河川浄化公園ー

1990年代に日本一汚い沼として名を馳せていた手賀沼。2000年に完成した北千葉導水路事業は利根川から引いた浄化用水を手賀沼に排水、手賀沼の汚れを希釈し汚染の改善を行こなった。そして今度は、手賀沼下流の手賀川、利根川に汚染が広がった。これが正しい河川事業であったのかは不透明である。流域の市民、汚染の影響を受けた人々が集まり、手賀沼流域の未来を真剣に考えていく施設を提案する。

ak16057 齋藤悠太

margin and object

東京葛飾区にある水元公園は利根川水域の整備の過程で廃止された古利根川の湾曲部に広がる湿地帯を緑地化した場所である。周囲を低層の住宅街で囲われた96haの広大な敷地は遊水地、各方位に広がる生態系、様々な種類の木々に囲われた直径380mの大きな余白をもつ。その大きな余白の中に塔を置くことによって、人は塔を介して広場のスケールや、構成要素である様々なエレメントと呼応し、人の身体を大きな大地とつなげていく。

ak16070 田中優衣

渋谷溪

渋谷の大通りから1本外れた百軒店商店街。地形によって運良く歴史が守られた場所であったが、たった今、隣接して大規模再開発が計画されている。接道のため手を伸ばし、不整形に空かれた敷地形状は、大通りからはビル群の背後に隠れる。周辺がカオスなこの地には、一つに染まらない建築が、相応しいのではないか。均質さや効率ではなく、場所の価値を維持した商業コンプレックス、それを取り巻く豊かな溪谷的屋外空間を提案する。

ak16086 橋場拓巳

人の暮らしと近さ−都市の窪地での生活 −

暮らしとは何か。人と暮らしの密接な空間は住宅にあり、内部空間では物と人は触れられる距離で雑多な空間である。一方、外部空間である現代の住宅街を見ると、閉じた住宅が集合しており路地などの街の共用部の人の暮らしとのつながりが薄くなっていると同時に、街らしさが失われているように感じる。暮らしをより豊かにするために街と人の暮らしの近さを内部空間だけで完結せず、都市へと生活が広がるような集合住宅を設計する。

ak16094 星野達海

「名古屋城外堀計画」

未曾有の木造再建が行われる天守閣。三ノ丸外堀は城郭を囲うよう巡り、江戸時代の石垣が現存している。かつては防衛の役割を持ち、鉄道が通っていたこともあった。しかし、現在は立入禁止区域となり街から取り残されている。本計画は外堀が地区全体に機能する公共空間にすることを目的とし、そのきっかけとなるような子供図書館と歴史博物館を提案する。外堀は子供達の遊び場・大人達の休息所になる。

ak16101 松田翔

長編を架く

人口増加が止まらない東京で、新たな床の創出と余裕ある空間の作り方を提案したい。新幹線がまっすぐ進むと、線路面より地面が高い場所では大穴となって現れる。私が生まれ育った町はこの大穴によってきれいに二分されている。どこに行くにしても現れる穴で、幼少期はよく通過する電車や新幹線を見下ろしていた。ここを建築領域ととらえて、穴があるから様々な物事にかみ合っていく場を創っていく。

ak16115 吉田真緒

「ハッチポッチスタジオ」〜都市に建つ障がい者福祉施設〜

障がい者の人が働くアトリエを設計する。障がいのある人の個性豊かな表現が発揮されるのにふさわしい建築とそれが街の魅力になり得る敷地によって、今まで社会の端っこに追いやられてきた障がい者施設や福祉従業者の位置づけを変えていけるということを示したい。大半が室内的密室環境からできている福祉施設であるが、ここでは室外的開放環境が取り巻く、風通しの良いものを提案する。

■環境システム学科

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br16008 飯田浩代

魅せる安心 ー地域のつながりが生み出す災害レジリエンスー

災害時、帰宅困難者となった親の帰りを待つ子ども達を守りたい。2012年にJR武蔵野線吉川美南駅が開通し、都内への通勤者が増加した埼玉県吉川市。水害リスクも潜むこの地域に、災害時は人の身体を守り、平常時は子ども達の居場所や災害レジリエンスを高める児童施設を含んだ公共空間を提案した。?

br16012 石坂智也

船橋市海老川地区における自然と医療施設を一体としたメディカルタウンの提案

千葉県船橋市海老川上流地域では医療センターの移転や東葉高速鉄道の新駅誘致が予定されており、新しいまちづくりが計画されている地域である。しかし現状は、滞留空間の不足や多くの通過車両が原因で、安全で快適な歩行空間とはいえない。地域資源である自然による「癒し」や患者、地域利用者の交流による「楽しさ・喜び」を感じ、自分の居場所を見つけることができる「生きがいを生むまち」を計画する。

br16015 井出岳

丘の向こうに —つながりある社会への足掛かりとして—

社会が虐待に対して無関心となり、被虐待者が社会へ戻ることを困難にする要因は、被虐待者の隔離である。社会は、被虐待者を隔離することで無関係な存在だと認識している。そして、被虐待者は隔離されることで社会との接点を失う。本提案は被虐待者の居場所を、公園という公共性の高い場所の一部に設け、地域住民と被虐待者の接点となる場所を設けることを考えた。被虐待者と社会が繋がるきっかけの場を構想し空間を具体化した。

br16027 小川博也

集合住宅における余暇と共生空間の提案

現在、家族やコミュニティのあり方が変化してきており、就職のために 1 人暮らしをする 人や、退職して第 2 の人生を始めようとする人にとって都市は住みにくいものである。そこで第3の住まいと呼ばれるコレクティブハウスを設計することで、新しい都市生活を提案する。この集合住宅が実現することにより人と人とが緩やかにつながるコミュニティを創りながら、より心豊かな生活が行われる。

br16029 小幡詩歩

あたたかい居場所 〜鹿島田駅付近における地域住民が集まる場となる空間の提案〜

鹿島田地区は住商業複合型市街地形成が進んでいるまちであり、エリアマネジメント組織の活動等により様々な地域活動が継承されている。南武線の線路沿いで鹿島田駅の近くにある現在未利用地である開発予定地を、住民が日常的に交流することができる場所に変換する。また、鹿島田を愛する人や鹿島田に住む子供たちが愛着を持っていつも行きたくなる場にし、今後も地域での交流が薄れないことを目標とする。

br16046 下原潤明

イスラム文化と共に暮らす集合住宅

現在の日本は少子高齢化により労働人口が減り続けており、政府は将来を見越して外国人労働者の受け入れを支援する政策を始めた。しかし、現状では外国人労働者に対する文化・宗教の理解が及ばず、多くの問題を孕んでいる。研究では、東南アジアに焦点を当て、イスラム教徒の外国人労働者の社会環境、住環境を整えた建築空間を構築する。建築とイスラム文化を融合させ、日本人とムスリムが共同で暮らせる集合住宅を提案する。

br16062 田中美宇

TOCASU‐HACO

消費への価値観が変化してきている現代における商業空間を提案した。近年では情報化社会により物的豊かさを十分に得た人々は経験的豊かさを求め始め、従来の商業モデルは通用しなくなってきた。本提案ではその一つである百貨店のリノベーションを行った。商品と買い手の出会いのストーリーを作り出し、新たな買い物体験を生む。かつての閉鎖的な商業空間は街へと開かれた人々の記憶に残る体験型ショッピングの場へと生まれ変わる。

br16071 花咲道弘

青山ミックス居住の森?多様な人々が多様に住む集合住宅の提案?

市場経済が支配的な今日、都心の地価は高く、そのため居住地が分化されることは一般的なこととなっている。しかし、すべての市民は都市のあらゆる場所にアクセスする権利を有している。所得の違いにより住む場所が限定されたり、追い出されたりすることは社会的大義に反している。そのような問題意識のもと、建替が検討されている青山北町アパートを対象敷地とし、多様な人が共存できる住宅を提案する。

br16074 蛭川絢佳

再発見!緑と伝統のリレー?埼玉県さいたま市見沼田んぼにおける魅力継承のための空間提案?

東京から約20㎞、そこには1200haを超える緑地空間がある。 さいたま市を中心に広がる見沼たんぼは、通船堀をはじめとする歴史や、江戸時代から続く農業があり、人だけでなく生物にとっても貴重な場となっている。一方、農業従事者の高齢化や農地減少で田畑としての緑地維持が難しくなっている。本計画では、見沼たんぼを知り、農業をはじめとする見沼の田んぼらしさを次世代につなぐ、きっかけの空間を提案する。

br16085 宮崎佑一郎

遊び、学ぶ -見沼田んぼ第一調節池における自然学習が出来る空間の提案-

主に埼玉県東部を流れ、荒川に流れ込む芝川の第一調節池の右岸が私の研究対象地である。左岸は調節池として機能しているが、人々が利用する空間として改善の余地があると感じた。それは親水空間を初めとする自然とふれあう空間が少なく、貴重な自然を生かし切れていないためである。これからの都市計画は高密度なものだけでなく、周囲の自然環境との関係性が大切である。そのため人々が自然とふれあう空間を提案するに至った。

br16088 諸岡和樹

Life with Culture?西武池袋線(石神井公園ー大泉学園間)高架下空間の活用に関する提案?

練馬区石神井公園駅から大泉学園駅の間にある高架下空間を舞台として設計。練馬を代表する文化である「アニメ文化」の保全・継承を目的とした高架下住居やアニメカフェ、区民ニーズの高い施策に貢献する保育施設や福祉施設を擁した964mの高架下空間利用を提案する。

br16093 吉田舜

「定年ゴジラ」の居場所

ベッドタウンに住まう定年退職後の元サラリーマン(名称:「定年ゴジラ」)は地域との関わりが希薄で、地域の中に自分の居場所や生きがいが無いのではないだろうか。彼らの生活に着目し、彼らが居場所や生きがいを見つける空間を、商店街に提案した。この商店街は日本の課題である高齢者問題に対する社会実験の場となり、「定年ゴジラ」だけでなく地域住民、来街者、そしてこれから「定年ゴジラ」になる人々への気づきの場となる。

br16096 米延美咲

生生発展−森と呼応する建築−

都市の空地に森を創造する。建築を、人と森の構成要素としての生命体とを結びつける仕掛けとして計画することで、 建築と森を一体的なエコシステムとして持続させるための意欲を人々にもたらすと考えた。樹木の規則的で不規則な様態を持つ生態的領域と共生する建築を計画することで、 周辺住民の交流は自然発生する。人は木と共に、 建築は時間の経過と共に形を変え建築も生命体の一つとしてこの場に生きる。。

br16098 渡部雄貴

30年後を見据えた駅前広場

宇都宮市ではLRTが開業する予定で、それに合わせてJR宇都宮駅東口広場では再開発が行われる。地方都市では少子高齢化を迎えており、宇都宮市もその影響を受けることになるが、今後生き残るにはそのような社会を迎えてもまちなかが賑わうことが必要である。そこで数十年後も活力のあるまちにするために、LRTと共存し、人々が集い、くつろぎ、活気が生まれる駅前広場を提案する。

br16099 渡部夏子

"まちの巣 —まちのつかい手を結ぶ建築—"

大宮駅東口周辺。そこでは、「まちに住む人」と「まちで働く人」との間で精神的な壁が生じている。 彼らは同じまちの使い手であるのにも関わらず、自分の生活領域から出ることはなく、お互いを傍に感じることはない。 そこで、異なる目的を持つまちの使い手が、同じ空間で同じツールを共有する、第二の居間/コワーキングスペースを提案した。 互いを意識するまち使いを促すことで、この建築が意識の壁を壊すこととなる。

■デザイン工学科

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cy16001 荒川直輝

異文化の共栄 -多文化が形成する街の提案-

現在、日本はグローバル化の真只中に立たされている。それは普段の生活からも感じられるだろう。そこでこれからの私たちに求められる事は他国の価値観や生活などのいわゆる「文化」を認め合い、共に手を取り合って生きていくことであると私は考える。地域の人々、移り住む外国人、訪れる人々が遺憾なくインプット、アウトプットできる拠点を設計し、地域が文化によって活性化する計画を提案する。

cy16003 板倉健吾

賑わいの行方

現在、令和4年に下北沢の商店街を分断する幹線道路が竣工する計画がある。また、下北沢は再開発が進んでおり、街の個性を大事にしてきた下北沢にビルやマンションが並んでしまう。そこで私は、ビルやマンションの容積率20%をかつての下北沢の個性を表現したものを加えるというルールを設定する。下北沢の魅力は路地に滲み出す店舗の賑わいだと感じ、下北沢らしさを残した店舗の設計を計画する。

cy16010 北田航也

築地養殖工場

20XX年、築地場外市場は市場を失い衰退していった。築地の新たなブランドを築くため、 場外市場の真ん中にアクアポニックスを利用した養殖工場が設立された。そこで育てられ た魚たちは回遊水槽を泳ぎ、釣り場やカフェバーで捌かれる。近年、私達は生き物が殺さ れる所を見ずに食べ物を得ているが、そこをオープンにすることで命の大切さを学ぶ。い ずれ場外市場の真ん中を基点に老朽化した建築たちを修復するように水槽が広がっていく 。

cy16012 木津郁海

共育の杜

人々が神社に訪れる理由は祈りとしての空間だけではなく、鎮守の森に囲まれ静寂な時間 が流れる神社を人々は心の拠り所にしているからだと考えました。 そこで元来の神社建築を再生すべく、機能としては「祈り、集い活動できる場」を持ち 神社の歴史、地域の人々の生活、別々だった三つの時間軸を新たな神社建築で包括し同じ 時間軸の中で共に成長していく空間を生み出そうと考えました。

cy16013 金淵彬

-術的特異点以後の教育-
第四次産業革命後の未来の大学の提案

術的特異点に向かって人類は進んでいる。 「生物・知能の総和が生物・知能の総和」である特異点を経っても 人類の価値が超知能とは異なる価値を持って互いに共生できる時代のための建築。 人類は常に教育というシステムを通して成長していくモノだった。 AI以後の時代に新たな人類のための教育インフラ、その建築を渋谷という空間で提案する。

cy16018 早乙女駿

祭りの眠る街で -3/365に現れる建築の二面性-

季節の移ろいに敬意を払うという日本特有の文化。その移ろう季節の中での自然への畏敬 が祭りを生んだ。祭りや季節の移ろいを語る上で欠かせないのが「ハレとケ」だ。しかし 様々な分野で発達が進む近年、多くの地域では「ハレ」と「ケ」が混在し、曖昧化してい る。その結果、祭りそのものの賑わいが低下するとともに、普段の街の活気すら失われつ つある。そこで建築を用いて両者を再生させ、相互にポジティブな意味で差別化を図る。

cy1602関野洸太

霧と幻想のシークエンス 

私たちは自然というものを知る前からこの自然の中に存在している。生まれながら自然の中にあり、日常に密着していればこそわかっていない自然のリアリティがあるはずで美しさというものもあるはずである。しかし、今日建っている建築物はあまりにも強固で人工的であり自然と人間を分離させてしまっているように感じる。そこで私は建築を自然の方に近づけることで人間と自然を繋げる役割を持たせることが可能なのではないかと考えた。

cy16033 鳥居碧海

地形に住む、地形と住む
—谷戸地域における新たな生活景の提案—

私の生まれ育った地、横須賀には、谷戸と呼ばれる山あいに谷が入り組んだ地域がある。 今、谷戸で深刻な人口減少と空き家問題が起こっている。原因として、急坂や細道などが 挙げられるが、特に問題なのが擁壁によって住人の生活が分断されてしまっていることで ある。本研究の目的は、擁壁のデザインから改めて考えることから谷戸の魅力を引き出し 、住人と土地とが共存できる生活景溢れる街を目指すことである。

cy16037 中田和成

ネオ城山計画

鳥取県米子市のかつての中心として栄えた山城米子城。今はその形を残していないが、立派な石垣だけは当時のまま残っている。 今は城山という愛称で市民に周知されているが、いまいちその本質は知られていない。 ただそこにあるだけで、その価値は蔑ろにされているのではないか。 この建築は訪れた人々にその米子城と石垣について知ってもらうとともに、山頂へと誘導する。 そこでの体験を助けるような場所を提案する。

cy16042 平山徹

喉が鳴る建築

今、日本は第7次ワインブームの真っただ中である。しかし、日本産ワインの人気の向上 に伴い、国内では葡萄不足が深刻化している。そこで、葡萄の新規就農者やワイナリーを 創設する希望者の増加を目的とし、建築的にこの問題を解決できないかと考え、人に寄り 添い身近に感じられるワイナリーの形を提案する。対象敷地は遠方からも多くの人が集ま るワイナリーを想定し、交通の便もよく葡萄畑からの輸送もしやすい都市部に選定した。

cy16049 矢ヶ崎あかね

大人こども計画

人はこの世に生まれ、必然的に大人に向かって生きていく。大人になるとストレスや悩み にもまれ、一部の大人はいつの間にかこどもの頃感じていた好奇心や想像力などをなくし てしまう。同じような生活を繰り返す中で様々な事を諦めた大人は、毎日を生きる事で精 一杯になり、目の輝きをなくしてしまう。そこで、死んだ魚の目をした大人たちに少しで もこども心を取り戻し、こどものままでいられるような空間・場所を作りたいと考えた。

cy16050 井西祐樹

斜面地における建築と動線の在り方 -等々力渓谷-

かつては、国分寺崖線(ハケ)の湧水や森を有効活用したり、横穴式古墳を作ったりと人々の生活の中心にハケがあった。ハケは人々にとって貴重な財産であった。対して、現在はハケの高低差を便利にしようと開発が進む。 等々力渓谷のあるべき姿は、観光客だけでなく地域住民も等々力渓谷を生活の中で使うという形であり、地域住民が渓谷を生活動線として利用し、同じ空間に観光客がいる。そんな等々力渓谷になるような計画を提案する。