作品



作品名 中野本町の家
設計者 伊東豊雄
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施工年月 1976
建設地 東京都中野区
建物説明
 内部は台形の断面をした白いチューブ状である。亀裂のようなス
リット状の天窓から暗い内部へと差し込む光が、強烈な象徴性を持
っている。射し込む光の下には、一脚の黒い椅子がある。 
 このスリットの他には、中庭を覗く縦長の窓が設けられている。
ここからも光が内部に射し込んでくる。昼には家の内部が暗くて外
が明るい、夜になるとこれが逆転して、家の内部が明るく外は暗く
なる。特に中庭に関して言えば、昼間には空っぽに輝いていた空間
が、夜には漆黒の闇になる。昼の表情と夜の表情とが対照的になる
ような設計がされている。 
 夜は、ライトが足元にあるため、人影が大きく白い壁に映る。壁
の湾曲のため、人の姿は直には見えないが、人の立てる音と、動く
影とだけがわかる形となっている。湾曲の向こうにある日常的な生 
活が、反対側からでは何やら非現実的な、実在しない影だけのよう
な存在に感じられる。
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『中野本町の家』住まいの図書館出版局