【Model-1】立方体フレーム
        図形要素による大枠の決定


  この建築全体を大枠として規定するプラトンの正
  多面体の1つである立方体は、建築的なものでは
  なく図形的なものであって、形の美しさをもとめ
  るためのものである。

【Model-2】立方体フレーム
        建築属性付与


  概念的存在であった図形要素の立方体は、建築属
  性が付与されることにより、可視的、物理的な実
  体としての建築要素に変換(垂直材 柱、水平材
   梁といった名称・性質が与えられる)され、荷
  重を支える構造体としての性格をもち得る立方体
  フレームとなる。

【Model-3】基本的構造
        全体の骨格を決定する図形操作


  図形要素としての立方体フレーム(立方体)を、
  グリッドに従いながら幾つか連結させる。さらに、
  建築の正面となる向きに対して、空間が抱え込ま
  れるような印象を与えさせるために、後にピロテ
  ィとなる部分の2つの立方体を22.5度回転さ
  せるなど、幾つかのずらしの操作を加えることに
  よって生成されたかたちが、この建築の基本的構
  造である骨格となる。

【Model-4】補助的構造
        物理的・可視的場の生成


  建築物を使用する人間に、触感的にまとわりつく
  様な性格をもつ空間を演出するため、Model
  −3で生成されたものにより規定される骨格に対
  して、各々の機能空間・ヴォリュームのそれぞれ
  に別々の操作を加え、個別化、特殊化し、明確な
  隔たりを生じさせる。