【Model-1】基体・骨格の構築

  具象性から生まれた水のイメージ(水平方向への
  広がり)により、立体を水平に分割する。分割に
  よって失われた垂直性を別の2個の立方体を内包
  することによって補い、水がもつ水平垂直方向へ
  の広がりを表す基体を構成する。そして水平方向
  の広がりをもつもう1つの基体となる直方体を重
  合し、さらにその直方体と基体に(迷宮性を考慮
  して)円柱を重合し、つながりを持たせる。これ
  らにより迷宮性・具象性を含んだ建築の基体・骨
  格が構築される。


【Model-2】フレームへの変換

  ヴォリュームをより純粋な幾何学形態として捉え
  ることで、空間に対する認識を深める。また、全
  体に秩序が現れ、この時点から建築として認識さ
  れる。


【Model-3】迷宮の創造

  L字の壁を付加することで迷宮と外界との境界を
  つくり、迷宮への期待感を引き起こさせる。そし
  て、迷宮を演出するためにL字の壁に沿ってスロ
  ープを配置し、直線の方向性をもつ空間をつくる。
  基体内部にある2つの立方体フレームのまわりに
  疑似螺旋状の階段と、4つの十字架を配置するこ
  とにより、その空間から方向性を消している。こ
  れらの方向性の異なる空間を織りまぜることによ
  り迷宮性をつくりだす。


【Model-4】自然の導入・聖なる空間の演出

  光の箱において、光・雨・風といった自然と触れ
  られるように側面だけにガラスを張るなど、自然
  の感覚を空間に引き込む。これにより光の箱を自
  然と聖なるものを感じさせる空間としている。礼
  拝堂においては、外界から湖を取り込むことによ
  りシンメトリーな世界をつくり出す。象徴的な十
  字架を水面に浮かべることで、直線的な方向性を
  持たせる。非対称で刻一刻と変化する風景や自然、
  水面に浮かんだ十字架によって方向性をもつ、自
  然と聖なる空間をつくり出している。