【Model-1】基体・骨格の構築

  具象性によって生まれた風(流線)のイメージに
  より、15個の立方体を重合した基体と、もう1
  つの基体となる大きさの異なる2個の立方体を重
  合したものを並列に配置する。この2つの基体に
  迷宮性を考慮し、曲面を付加してつながりを持た
  せる。また、垂直方向へのびる直方体を付加する
  ことにより水平・垂直方向への広がりをもち、迷
  宮性と具象性を含んだ建築の基体・骨格が形成さ
  れる。


【Model-2】フレームへの変換

  ヴォリュームをより純粋な幾何学形態として捉え
  ることで、空間に対する認識を深める。また、全
  体に秩序が現れ、個の時点から建築として認識さ
  れる。


【Model-3】迷宮の創造
        自然の導入・聖なる空間の演出

  15個の立方体フレームをコロネードと認識し、
  スリガラスを上面及び側面に施し、視界を限定す
  る。太陽の光はコロネードのなかを一様に分布し
  ているため、光の方向性は存在しないが、コロネ
  ードのフレームが一定のリズムをもち、奥行きの
  ある直線的な方向性を現す。コロネードは風の通
  る筒であり、光の充満した聖なる道となる。礼拝
  堂において光は、天井のスリット、側面の窓から
  礼拝堂に入ってくる。光の方向はさまざまで光と
  影はぶつかりあい、空間内は方向性が混在してい
  る。その空間において十字に交差する柱と梁、窓
  の外に置かれているL字の壁の内側に存在する緑
  と空により、自然と聖なるものを感じさせる。ま
  た、コロネードと礼拝堂という方向性の異なる2
  つの空間を織りまぜ、迷宮をつくり出している。